「計算ばかりやっても仕方がない。考える数学をさせなければならない」という意見があります。数学とは考えるものですから、考える数学の勉強をすべきであるのは言うまでもありません。しかし、考えることの準備もしないで、ただ、考えよ考えよといっただけでは仕方ありません。
例えば、204÷3という単純な計算問題は“考える数学”とはいえないかもしれません。しかし、このような問題がすらすらできないようでは、“考える数学” に入っていけないことは明白です。204÷3という問題がすらすらできるようになると、もっと程度の高い問題もできやすくなります。考える数学ができるようになるためには、方程式、因数分解なども含めた計算問題がらくにできるようになっていなければならないのです。
考える数学が大切で、計算は大切ではないなどと思っていては、数学の上達は絶対に望めないといってもよいでしょう。
また、最近の脳科学の研究では、単純な計算問題を解いているときでも、脳は非常に活発に活動しており、計算する時は頭はそれほど使っていないというイメージは、なくなりつつあるようです。
計算はできるようになったからといって公文式をやめていくかたがいらっしゃいます。実にもったいないことですが、このかたは「計算」を小学校レベルのことと思っておられるようです。このように計算というと、小学校までの分数計算を思い浮かべるかたが多いようです。
しかし、例えば右のような問題も計算なのです。分数計算が完全にできるようになっても、それは中学・高校数学に進むため基本的な力が身についたにすぎません。
分数計算よりもっと高度な計算力、それはつまり中学・高校数学で学習する方程式や微分・積分に他なりません。公文式で学習する機会をもった皆さんには、ぜひともこの高度な計算力をつけていただきたいと考えています。実は、分数計算より上の、中高数学の計算は内容がとても多いのです。せっかく公文式で分数計算までがマスターできたのですから、小・中学生のうちに方程式や微分・積分を学習することにより高度な計算力を身につけ、ゆとりをもって中学・高校生活を送っていただきたいのです。
みなさん、大学でいろいろ専門的なことを学ぶとき、たくさんの数式が出てくるのをご存知ですか。物理学・天文学・化学などはもちろん経済学など社会科学系でも数学は絶対必要なんですね。
電磁気学の基本公式である「マクスウェルの方程式」、一般均衡理論など経済学における各種数式や、あらゆる分野で使われる標準偏差・2項分布など統計学の数式と、例をあげればきりがありません。
これらは、高校までで学習する、方程式・微積分が土台になっているのです。将来に夢を持ち、それを実現していくために、またその夢を断念することがないように、できるだけ多くの子どもたちが、高度な計算力を身につけていけるよう、私たちは応援しています。







