公文式国語教材は、文章読解力を高めるために、「縮約」という他に類を見ない独自の方法を用いています。この「縮約」そのものを学習するのがGI~I II教材であり、「縮約」を行う上で必要な力を身につけるために、FIIまでの教材が構成されています。
ではこの「縮約」とは、どのような方法なのでしょう?これに対し、一般的な国語の学習において文章の要点だけを見つけ出していく方法が「要約」です。読書力を高めることを目的とした公文式の国語学習では「与えられた文章をまるごと、文体ごと、すくい取って縮めていく」という独特の方法をとります。これが「縮約」です。
その方法として、
- まず、文章を一読します。
- 一読した文章を、今度は再読しつつ全体にわたって縮約していきます。縮約するときは、全体の3分の1程度にすることとし、しかも、できるだけ内容を原文に一致するようにします。文章の話題に沿って、全文をたどっていって、原文丸ごとの縮約文を作っていきます。
- この縮約文は、原文の見取り図となるものですから、文章の骨格が明らかになるものでなくてはなりません。そのため主題に関わる重要語句、重要な概念は、欠かすことなく、この縮約文の中に反映させることとします。いわば文章という山並みの頂上に立てられた道しるべです。縮約文は文字通りの縮約図になるというわけです。
- 文学的文章でも方法は同じです。場面の展開に合わせて、やはり原文丸ごとの縮約を行っていきます。その際、ニュアンスまで含めて縮約していくことが大切です。
「縮約」を実際に用いてみると、予想以上に学習効果が高いものであることがわかってきました。効果の第1は、文章を読む際に必要な読解力と速読力がともに向上していくことです。2,000字程度の文章を縮約するには、初めのうちは5、6回読み返さなければなりませんが、慣れてくると一度読めばできるようになってきます。子どもたちは練習を積めば積むほど、縮約文が早く正確にできるようになります。読みのスピードも目に見えて速くなってくるということがわかりました。一方、縮約文をできるだけ原文に近づける学習は、正確に文章を読むという精読力をも鍛えることになります。
効果の第2は、語彙(ごい)が増え、定着することです。原文の語彙を縮約文に盛り込んでいく作業は、語彙を理解するだけでなく、それを使用して文を作ることになり、確実に自分の語彙として定着させていくことにつながります。
縮約力を自分のものとした子どもたちは、文章の流れに沿って作者に出会い、そして作品の中身を詳細に自分で読みとっていきます。そして作成された縮約文には、その子がたどった思考の跡がくっきり残っています。筆者のことばが子どもの手にかかって、縮約という全く別の文脈の中に生まれ変わるのです。なんという能動的で、しかもシンプルな学習方法でしょう。子どもたちは、いろいろな学習要素を用いて何から何まではじめからやろうとするといった遠回りをせず、まっすぐに「縮約」というシンプルな目標に進むことで、難しいと思われていた国語の学力アップが可能になり、得意になっていきます。「縮約」はまさに「最小努力で最大効果」を実感できる公文独自の学習方法なのです。







